ふたわ✿産婦人科

千葉県船橋市にある病院の産婦人科。産婦人科医・看護師・助産師によるブログ。現在、分娩休止中ですが再開予定のため、医療・保健活動は継続しています。このブログでは、産婦人科にまつわることなら病気のことだけでなく、他人には聞きづらいこと、ちょっとした疑問にお答えしていきます。個人的な質問にはお答えできません。

更年期症状

 

季節が変わり、寒い日が続くと何となく気分が上がりませんね。

特に女性は閉経前後の年齢になると肩こりや冷え、めまいや不安など、様々な症状に悩まされることがあります。

今回はそんな更年期症状について考えていきたいと思います。

更年期症状といってもその表れ方は人それぞれで、特に気にならずに通り過ぎる人もいれば、様々なつらい思いをする人もいます。よく聞かれる症状は、肩こり、疲れやすい、頭痛やのぼせ、発汗、皮膚の乾燥などです。また、気分が沈む、イライラ、怒りっぽい、憂うつなど精神的な症状もあります。

これらはエストロゲンという女性ホルモンの分泌が減少することにより起こることですが、ちょうど子供の自立や親の介護など、日常生活の変化や様々やストレスが重なっていることも要因になっているようです。また、もともとの気質や物事のとらえ方なども影響するようです。

すごいぞ エストロゲン

なぜエストロゲンが減少するとこのような症状が出るのでしょうか。

エストロゲンは、妊娠や出産に関わるだけでなく、自律神経や骨の生成、皮膚や血管にもよい影響を与えるなど、400以上の機能を備えているホルモンだからです。

 エストロゲンが減少すると・・・

これまで抑えられていたコレステロール値が、閉経により急に上昇し、悪玉コレステロールが血管に付着、血管は固くなり動脈硬化に。

骨を作る骨芽細胞と骨を破壊する破骨細胞破骨細胞の働きを抑制するものがなくなり骨の破壊に生産が追い付かす骨量が減少。

脳内物質のセロトニンを活発にする効果が薄れ、気分が落ち込みやすく感情がうまくコントロールできない。

  などなど、エストロゲンの減少による影響は多々ありますね。エストロゲンの働きのすごさに脱帽!です。

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元気に過ごすために!

年齢を重ねるとともに誰でも起こりうる変化 ホルモンのせいばかりにせず、上手に乗り越えたいですね。

 

そのためには 食事 運動 リラックス を心がけましょう。

食事 肥満を防止するために腹8分目 バランスよく摂取しましょう  

                                  f:id:hutawa-ohana:20171204112113p:plain   大豆食品・ザクロ・山芋などはエストロゲンを増やしてくれます

   カルシウムは骨を丈夫にしてくれるので積極的に摂取しましょう

   魚や野菜飽和脂肪酸が多く含まれているのでたくさん摂りたいですね

   食物繊維コレステロールを吸着して体外に排出、糖質の吸収を抑え便秘の

       解消にもなります。

運動 ストレッチ運動で体を柔軟に、肩こりも解消

   1日20~30分のウォーキング 胸を張って歩幅を大きく 

   日光にあたることも大切

リラックス アロマやヨガ ツボ押しなどで気持ちをゆったり

      趣味やスポーツなど自分が好きなことをする

  規則正しい生活で睡眠をしっかりとることも大切です。

  つらいときは一人で考え込まず、誰かに話しができるといいですね

  ボランティアや趣味など生きがいを見つけることもいいでしょう

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 主な治療法として

ホルモン補充療法は、減少したホルモンを薬で補う方法で、飲み薬だけでなく、

貼り薬やジェル剤で肌にすり込む形のものもあります。

漢方薬は体全体の調子を整えることを目的とします。

また、気分の落ち込みや不安が強いときは安定剤が処方されることもあります。

医師とよく相談しながら、その人その人にあった、一番よい方法や量をみつけて

使っていきたいですね。

また、すべての方がホルモン補充療法を受けられるわけではありませんので、

医師に体の状態を伝えてよく相談しましょう。

いずれにしても、何かすっきりしない、調子が悪い などの場合は婦人科外来に相談してみましょう。

検査をしたり、薬による治療、整形外科やカウンセリングへの紹介もできるかもしれません。

また、いろいろな疾患がおこりやすい年代でもあります。

定期検診はぜひうけてくださいね。