夏休みを楽しい思い出に~女性の心得3.アバンチュール編~
「恋の季節」「ひと夏の思ひで」・・・
この時期はファッション誌でも男女問わず、恋愛を意識した特集が多く組まれていますよね。
皆さんも“なま足が出せる美脚”“水着が似合うスタイル”“周りの目を惹くコーデ”など気になる記事だと思います。
夏は、ココロもカラダも開放的になって・・・♥♥♥
素敵な恋愛や授かり婚など、ハッピーエンドを迎える人がいる中で、「望まない妊娠」「性感染症」など、人知れず「カナシイ」・「ツライ」経験になってしまう人も。
「私は大丈夫だったよ」「友達は平気って言ってたよ」は結果論!!
硬い表情で診察室に入ってくる人や、性感染症で見た目が変わってしまった外陰部を、私たちは何度も目にします。
そこで今回は、「ファッション誌では教えてくれない大切なこと」を産婦人科目線でお話ししようと思います。
※アバンチュールとは:「冒険(大辞林より)」・「『冒険』を意味するフランス語の単語。転じて、『恋の冒険』『危険な恋』を指す。(フリー百科事典『ウィキペディア』より)」
アバンチュール心得
⚠パートナー以外と性交渉を持つ前に一旦立ち止まる。
「いつもと違う環境では相手は3割増しで素敵に見える。」
これは、興奮している時に出る“交感神経”の作用により、瞳がキラキラ見えたり、心拍上昇で恋と錯覚したりすることによります。
次に会った時には冷静になっているので、「なんでこの人にドキドキしたんだろう」と我に返ることも。
「あったばかりのこの人と、本当にシテ良いのか」よく考えてみましょう。
⚠SEX(性的接触)をする時は「自分の身は自分で守る」。
①合意の場合でも100%相手に任せず、自衛できるスキルを持って臨みましょう。(自衛方法は後述します)
相手がセーフティセックスを熟知しているとも限りません。
またその時は優しそうに見える相手も、いざ妊娠・性感染症を告げたら、突然攻撃的になったり冷たくなったりすることも。
心も体も傷つくのはあなたです・・・
②自衛をしても“月経が来ない”“陰部のかゆみやおりものが気になる”などの症状がある時は、早めに婦人科を受診して相談しましょう。
もし、妊娠している場合は、子宮外妊娠の場合もあり、これは命に関わる危険性もあります。
人工妊娠中絶をすることになった場合は、法的に手術可能な期間が限られています。一人で悩んでいると、あっという間にその期限が来てしまいます。
早めに受診しましょう。
⚠強姦・和姦の場合:これは「犯罪」です!!
夏の雰囲気に開放的になっているのは自分だけではありません。
皆さんの魅力に相手も自制が効かないことも。
自衛できないまま強姦されてしまった場合は、以下のどれかに相談してください。
①警察
「#8103(ハートさん)」
#8103とは性犯罪被害相談の全国共通番号です。そこにかけると自動的に各都道府県の相談窓口につながります。
・相手の体液を洗い流さずに、安全を確認した上で電話をしましょう。
・恐怖心などで、その場で通報できない時もありますよね。後日でも、通報することはできます。
婦人科を受診し、緊急避妊ピルの内服(72間以内)やその後の性感染症検査を受けましょう。
傷ついたのは体だけじゃない。数年経った後に心に障害が出ることも。
通報できなかった人は信頼できる人(家族や友人など)に話して、かかりつけの産婦人科や心療内科を受診しましょう。
③下記のような性被害者支援団体に相談することもできます。
⚠「妊娠希望」でない限り、コンドームも使用する。
産婦人科スタッフとしては、「特定な人とのみ、バースコントロールも希望通りに」をお勧めしたいところですが、「私は色々な人と楽しみたい」というポリシーの方もいたりします。
そういう場合は「避妊」だけでなく、「性感染症をもらわない・拡げない」ことも大切になってきます。
自分だけでなく、相手や相手のパートナーにひいてはその後のパートナーや生まれる赤ちゃんに感染させないように考えてみてください。
①避妊方法は様々あります。あなたのライフサイクルに合った方法を選びましょう。
詳しくは
②STI予防はコンドームでしか出来ません。
しかも理想的な使用でないと、守れません。
正しいコンドームの使い方をチェック!!
長々と語ってしまいましたが、みなさんこういうことを頭の片すみに置きながら、「素敵な夏の思い出」を作ってくださいね。